メトロポリタン美術館(メット)

ニューヨーク到着の翌日はメトロポリタン美術館に行きました。
某旅行会社から入場券を購入して行ったのですが、それを見せればすぐ入場できると思ったのに、このバウチャーでは入場できないと言われました。たまたま日本人の係員がいて、チケット売り場や、別の管理カウンターのようなところへも案内してくれて、予約番号などチェックしてくれましたが、当館のリストにはあなたの名前は無い、といわれました。形式的なツアーチケットのようで、ガイドが持っているのでは、とも言われましたが、そもそも個人でツアーには参加していません。釈然としないまま、またチケット売り場に戻りました。仕方なく新規購入しようとしたら、売り場の女性が気の毒がって、チケット料金はドネーションでいくらでもいいよ、と言ってくれました。それではと10ドルを払って入館しました。女性には感謝しましたが、なんとも釈然としない顛末でした。
メットは広大でとても1日で見て回れるものではないと聞いていましたが、確かにどう回ればいいか分かりません。1階のヨーロッパの中世彫刻・美術、武具・甲冑など観て、やはり興味のある2階のヨーロッパ絵画・彫刻のコーナーへと回りました。ここも部屋がいっぱいあって、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりと脚が棒になるような感じでした。写真や本などで見たことのあるような巨匠の絵画が目白押しでした。ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ、ルノワール、マネ、モネ、ドガ、シスレー、ミレーなどの絵の数々。フェルメールの”水差しを持つ若い女“もありました。ごく近くでその模写をしている人がいて間違ってペイントでもついたら、どうするんだろう、これが許されるのか、とハラハラして見ていました。
やはりゴッホの自画像は別格のようで部屋の中央のケースには人々が群がっていました。部屋が多いせいかそれ程ゴミゴミせずに鑑賞できてよかったです。セザンヌの絵だけのある部屋には誰もいませんでした。疲れたこともありソファーに座ってボーッと眺めていました。いつの頃からか彼の絵の構図、色使いが素晴らしく思われてきました。かつて南仏に行き、エクス・アン・プロヴァンスの地で彼のアトリエを訪れて、実際にサント・ヴィクトワール山と南仏の陽光を見て、ああ確かにその通りだ、彼が終世愛した景色、土地なのだと思ったものでした。それを思いおこしながらしばし一人感慨に耽っていました。豊穣のひと時でした。(でも晩年の色使いは濃く、燻んできて抽象的になり、自分的には若い頃の鮮やかな具象的なのが好きなのですが。)
エジプト美術ウイングでは、紀元前1961~1878年頃の制作とされるカバの置物にも会いました。現在ではメットのマスコット「ウイリアム君」としての人気者だとか。アメリカン・ウイングの中庭からはセントラル・パークも一望でき明るく開けた感じでした。そこのレストランも広々としてよさそうでしたが、満席で断念しました。さすがに疲れてしまい、裏手のセントラル・パークに出て一休みしました。ニューヨーカーが三々五々散策をしたり、ランニングをしたり、はたまたサイクリングなどして楽しんでいました。