先日の日本皮膚科学会東京支部学術大会で聴講した講演の一部を書いてみます。 遺伝性の皮膚疾患は日常外来でみる、いわゆるcommon dideaseからみると比較的稀な部類に入りますし、なかなか診断が難しい疾患が多く、ま…
カテゴリー: 皮膚良性腫瘍
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、ここ数回書いてきた粉瘤、石灰化上皮腫なども分類上は付属器腫瘍に含まれます。 皮膚腫瘍の種類は目に見えるだけに、本当に多彩で、しかも良性から悪性まで数多くがあります。 いかにも悪そう…
脂肪腫は体のどこにでもできるありふれた皮下腫瘤ですが(頚、肩、背部に多い)顔面特に額にできたものは一見粉瘤に似た外観を呈することがあります。帽状腱膜下脂肪腫(subgaleal lipoma)とよばれるもので、前頭筋(帽…
皮様嚢腫(dermoid cyst)、皮下皮様嚢腫(subcutaneous dermoid cyst)も粉瘤と似た皮下腫瘤として取り上げられます。 眼囲とくに上眼瞼外側にみられる下床と可動性の少ない深い(しばしば筋層内…
20歳以下の若年者の顔、頚部、上肢に好発する硬い腫瘍です。骨様にゴツゴツし、碁石をはめ込んだような硬さと形容されます。やや女子に多く、単発性ですが、時には多発することや家族性のこともあります。多発例ではTurner症候群…
耳にできるしこり(皮下腫瘤、結節)で、粉瘤と紛らわしい疾患もいくつかあります。それらのいくつかを挙げてみます。 1)(先天性)耳瘻孔 耳の前に瘻孔がみられるものをいいます。耳は胎生期に耳介が形成される際に複数のパーツが合…
粉瘤(Atheroma,アテローム)はソラマメ~鶏卵大の皮内~皮下嚢腫で、全身どこにでもできますが、特に顔面、頚部、胸背部に好発します。 ごくありふれた疾患で、外来でも日常的にみられる、いわゆるcommon diseas…
現在では老人性疣贅というより、脂漏性角化症といった方が適切かもしれません。若年者や中年女性に向かって”老人性”はないだろう、と医師も思うし、患者さんにとってはムッとする人もあるかもしれません。しかしながら、脂漏性角化症と…
軟性線維腫(soft fibroma)の一型で、眼瞼、頚、腋窩に生じる粟粒大(径1~数㎜)の多発する小丘疹のことをさします。柔らかく褐色調を呈し有茎性になることも多いです。加齢による変化と考えられています。スキンタッグ、…
フォアダイス状態(Fordyce’s condition, F. spots, F. granules)とは、半米粒大までの黄白色の小丘疹が口唇、頬粘膜、陰茎包皮、大小陰唇に多発集簇するものです。融合して黄白…