乳房外Paget(パジェット)病は高齢者の外陰部、腋窩、まれに臍部に紅色から淡褐色の斑状病変として始まり、最初は表皮内腺癌ですが、進行するとリンパ節、内臓などに転移することもあります。細胞の由来は不明ですが、アポクリン汗…
カテゴリー: 皮膚悪性腫瘍
有棘細胞癌(squamous cell carcinoma:SCC)は表皮角化細胞由来の悪性腫瘍です。 皮膚癌の中で、最も多いのは先に書いた基底細胞癌ですが、前駆状態とも呼べる日光角化症、ボーエン病などを加えると、一番多…
顔のいぼ様の出来物は高齢になると、様々なものが出てきます。当ブログでもいくつか書き連ねてきましたが、高齢化社会において気になるものはやはり癌、悪性腫瘍です。だいたい一般的に見られるのがいわゆる老人性イボ(老人性疣贅、脂漏…
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、ここ数回書いてきた粉瘤、石灰化上皮腫なども分類上は付属器腫瘍に含まれます。 皮膚腫瘍の種類は目に見えるだけに、本当に多彩で、しかも良性から悪性まで数多くがあります。 いかにも悪そう…
最近の日本皮膚科学会雑誌にホクロとメラノーマの判断の難しい例の報告、ディベートがありました。 専門的で難しい内容で、また難しい論争ではありますが、重要な事柄なので思うところを述べてみます。 「表皮内メラノーマへの移行が考…
日本皮膚悪性腫瘍学会が行なっている悪性腫瘍黒色腫予後調査では2005年から3000例近い症例を集積しています。それによると病変が局所に留まる症例は全体の61%、リンパ節に及ぶ例が22%、遠隔転移がある例が11%だそうです…
メラノーマの手術範囲についていくつか。 【生検について】 一般的に部分生検(incisional biopsy)は禁忌とされます。腫瘍の一部を切除、検査することの問題点はいくつか指摘されています。まず第一に部分生検をする…
【センチネルリンパ節生検とリンパ節廓清】 センチネルリンパ節(sentinel lymph node (SLN))とは最初に腫瘍の転移が始まる可能性のあるリンパ節のことをいいます。 SLNを同定して、SLNへの転移を発見…
メラノーマの治療において重要なのは早期発見と早期の手術による切除であることはいうまでもありません。 手術に関する最近のコンセンサスについてまとめてみます。 【原発巣の切除マージン】 腫瘍(Tumor)の厚さによって決めら…
免疫チェックポイント阻害薬の有害事象 免疫チェックポイント阻害薬の優れた効果について書いてきましたが、残念ながら重篤な有害事象もあります。 それについて書いてみます。 この薬剤は体内の腫瘍免疫抑制反応を解除することによっ…