汗管腫

汗管腫は女性の眼瞼によくできるエクリン汗管の増殖によるものです。直径1~3mmの扁平に隆起する黄褐色の小丘疹で、下眼瞼に好発しますが、顔全体や頚、腋窩にみることもあり、ときには乳房部など体幹、外陰部にみられることもあります。
部位、形からは顔面播種状粟粒性狼瘡やサルコイドーシス、時に稗粒腫に似た外観を呈することもあります。確定診断には皮膚生検が必要となります。真皮の上中層に管腔構造や索状構造をもつ数層の上皮細胞塊が多数みられます。オタマジャクシ様の外観が特徴的です。稀に思春期女性やDown症候群の体幹に多数生じるタイプもあり発疹性汗管腫とよばれます。
同じく眼瞼周囲に多発する小丘疹で汗管腫と似たものにエクリン汗嚢腫がありますが、こちらは多汗症の中年女性に好発し、夏汗で悪化し、冬季は軽快します。額、頬、鼻囲など顔全体にも及びます。丘疹だけではなく、小水疱を持つことも鑑別になります。エクリン汗管の貯留嚢腫です。
いずれも治療は必須ではありませんが、レーザー照射や液体窒素療法が行われることもあります。