フォアダイス状態

フォアダイス状態(Fordyce’s condition, F. spots, F. granules)とは、半米粒大までの黄白色の小丘疹が口唇、頬粘膜、陰茎包皮、大小陰唇に多発集簇するものです。融合して黄白色局面を作ることもあります。口唇では帯状に配列することが多いです。思春期以降に目立ち始め程度の差はあれ、老年期には8割程度にみられるとされます。男性に多く特に脂症の男性に多いとされます。いわゆる独立脂腺の増殖で疾患というよりむしろ生理的なものなので”状態”と呼称されます。ただ口唇、陰部などではいぼ、性病などを心配して受診するケースもみられます。
毛包と無関係に表皮に直接開口する独立脂腺が多房性に増殖しそれが表面から透見されるために黄白色に見えます。
生理的なものなので治療の必要性はなく、むしろ病気ではないことを説明し、患者を安心させることが重要ですが、整容的な希望があれば、レーザー、電気メス、液体窒素療法もなされることもあります。海外ではisotretinoinが使用されることもあるそうです。
ただ、扁平苔癬、白板症、カンジダ、疣、尖圭コンジローマなどとの鑑別は必要です。

また、思春期から中年の女性に多く、腋窩、乳房部、陰部などアポクリン汗腺のある部位にできる痒みの強い毛孔一致性の充実性の小丘疹が集簇する疾患はFox-Fordyce病といい、別物なので念のため。