顔面播種状粟粒性狼瘡

顔面播種状粟粒性狼瘡(lupus miliaris disseminatus faciei: LMDF)長たらしくて難しい名称です。
あまり多くはありませんが、一見ニキビ様の丘疹、結節が眼の周りにできる疾患です。
元来、組織像が結核疹で見られるものと同一のため、結核関連の疾患とされてきましたが、現在ではそれは否定的で、毛包内容物あるいはその破壊産物に対する組織反応で、むしろ酒さ性ざ瘡の亜型と考えられています。比較的若い男女にみられます。
ニキビとの一番の違いは眼瞼にもできることで、組織像も異なります。
皮膚色から赤褐色で半米粒大から大豆大までの丘疹、結節で眼瞼、頬、鼻、額に左右対称性にできます。時には数個融合して肉芽腫様に盛り上がることもあります。ダーモスコピーでは中心部が黄白色に見えるのが特徴的です。
1年から数年のうちに自然に治りますが、多くは瘢痕を残します。
テトラサイクリン、ジアフェニルスルフォン(DDS)が奏功します。
鑑別が必要なのは、ざ瘡(ニキビ)、酒さ、汗管腫、サルコイドーシスなどです。組織像で確定診断をつけますが、サルコイドーシスとは組織も似ていて区別がつきにくい場合もあります。酒さには似ていますがバックの紅斑、毛細血管拡張はLMDFではみられません。