ニキビ様発疹

ニキビはsnap diagnosisの一つの例だと思います。皮膚科専門医が診れば、一目で診断がつきます。ところが、普通のニキビ(尋常性痤瘡)と似ていて非なる疾患が多く存在します。注意していないとそれらを見逃してしまうこともありえます。 一寸変だぞ、という意識を持っていないと皮膚科専門医でも見逃すことがあります。
思いつくままにあげてみても多数あります。
・酒さ(特に酒さ性痤瘡、第2度酒さ)
・酒さ様皮膚炎(ステロイド、タクロリムスなど)
・マラセチア毛包炎
・ニキビダニ痤瘡
・新生児痤瘡
・老人性痤瘡
・電撃性痤瘡
・(細菌性)毛包炎
・薬剤性痤瘡(塩素、ブロム、ダイオキシン、PCBなど)
・尋常性毛瘡
・白癬性毛瘡
・顔面播種状粟粒性狼瘡
・分子標的薬(抗癌剤)によるニキビ様発疹
・多嚢胞性卵巣症候群
・好酸球性膿疱性毛包炎
・ベーチェット病
これ以外でもニキビと似て非なる皮疹は種々あります。
ただ、それぞれを詳しく説明することは控えたいと思います。
現在はネット上で様々な情報が誰にでも、瞬時に手に入ります。読んでいくといずれも自分に当てはまるような気持ちになり、それと決めつけてしまいがちです。そしてその治療を求めて医療機関を受診しがちです。やはり予断を持たずに皮膚科専門医を受診してもらうのが良いかと思います。

その意味では、このブログも患者さんを惑わす言わずもがなのお節介な記事かも知れませんが。