ハンセン病は皮膚と末梢神経に病変を生じる慢性の抗酸菌感染症です。先に述べたように近年では日本では年間数名程の発症で、しかも日本人の発症は沖縄を含めここ数年みられません。アジア、南米などの多発地域からの在日外国人にみられ…
カテゴリー: 皮膚疾患
ハンセン病はらい菌によって主に皮膚と末梢神経を侵す慢性抗酸菌症です。現在では国内での新規発生者数はほぼ無く、アジア、アフリカ、南米などからの来訪者の増加に伴って、それらの国からの在日外国人の発症が年間数名程度はみられま…
BCG(Bacille de Calmette et Guerin:カルメット・ゲラン桿菌)ワクチンは乳幼児の結核予防や結核の重篤化リスク軽減のために、本邦では12か月未満児への接種が行われています。従来4歳未満の児童を…
結核菌またはその産生物に対する過剰な免疫反応によって生じる皮疹を結核疹と呼びます。基本的には病巣に結核菌は認められずに、肺など他臓器の結核病巣から血行性に抗原が伝播して生じると考えられています。但し、PCR法で陽性になっ…
かつては国民病として恐れられた結核も、国の予防や治療の取り組みで激減してきました。しかし1980年代になって都市化の影響やかつて高蔓延時代に感染した人々が高齢化し、免疫力の低下や他の疾患なども加味され発病するようになっ…
抗酸菌Mycobacteriumは、長径1~10μm、直径0.2~0.6μm前後の無芽胞、好気性、非運動性のグラム陽性桿菌で、約80種類がみつかっています。細胞壁は蝋様の脂質に富んでいるために、グラム染色では染まりません…
Neglected tropical diseases(NTDs)、「顧みられない熱帯病」とは、先進国では患者が少ないことから社会的な関心が低く、発展途上国など熱帯には多いものの、先進国では需要が少なく治療薬などの新規開…
犬や猫による咬傷を時々外来でみます。それ以外にペットや野生動物、またヒトによる咬傷もあります。 これらによる感染症の起因菌に決まったものはありませんが、いずれも種々の雑菌を持っており、混合感染を生じます。 罹患率は小児で…
急性の細菌感染症について、書いてきましたが、慢性に続く皮下腫瘤や、膿を排出する一連の疾患群があり、慢性膿皮症として一括されています。細菌感染症の項目に分類され、確かに二次的に細菌感染が関与してはいますが、アポクリン汗腺…
”あせものより”と一般にいわれる病気は医学用語では(乳児)多発性汗腺膿瘍とよばれます。あせも(汗疹)が悪化し、黄色ブドウ球菌が感染し皮膚の浅在性あるいは深在性の化膿性の膿瘍が生じたものです。近年は住環境が整備され、エア…