水いぼ

水いぼ(伝染性軟属腫)は軟属腫ウイルスによる感染症で、いぼ(尋常性疣贅)とは異なります。
小児に好発し、体幹、四肢、陰部によくできますが、顔面にできることもあります。大きさは2~10mmのドーム状に隆起した皮膚常色ないし紅褐色の丘疹、結節で表面はすべすべして光沢があり中央部は状に陥凹します。一般的に無自覚ですが、周囲に湿疹反応を伴い、痒がることもあります。
顔面では小型のことが多く、一見いぼ様にも見えますが表面の形状が異なります。
皮膚表面の小さな傷や毛孔から感染しますので、皮膚バリアの弱いアトピー性皮膚炎の子供などはスイミングスクールでの他児との接触、ビート板などで感染し易いです。手の平や足の裏には毛穴はありませんので水いぼはできません。逆にイボは好発部位です。この点でも異なります。
いずれ(数か月から1年くらい)自然治癒するのでそのままでも良いとする医師の考え方もありますが、他人に移しますし、拡大し体全体に増えてしまい、湿疹化や二次感染などで難渋することもありますので、できれば小さく数が少ないうちに皮膚科を受診してトラコーマ攝子や形成攝子などで摘まんで取ってもらうほうがよいでしょう。現在は痛みを和らげるために前もって表面麻酔薬のペンレスなどを貼付しておくことも認められています。その他に液体窒素療法や硝酸銀を塗布するなどの方法がありますが、取るのを嫌がる児でなければ攝子で摘まむのが最も簡単で早い治療方法です。
一般的には小児の疾患ですが、成人に多発してきた場合は免疫抑制状態、免疫疾患やエイズなども考えておく必要があります。

光沢のある丘疹、中央部に臍窩がみられる

ペンレスを貼った所

形成攝子で摘まむ

モルスクム小体という乳白色の粥状物質が摘除される