フランス旅行

コロナ以来、ずっと海外に出られずにいましたが、久しぶりにフランス旅行をしてきました。
妻がフランスが好きなこともあり、いつも旅行の予定は任せっきりで、後からついていくパターンが多く、今回も荷物持ちかつ運転手のようなかたちでした。フランスの古城をみたいのと、田舎をのんびりと運転したい希望は取り入れて旅程を組んでくれました。
パリの南西部にロワール地方があり、そこは中世からの教会やら古城が多く残っているところです。
まず、TGVでパリからポアティエまで行きました。そこにはロマネスク様式の古い教会や聖堂が多く残っていました。ひっそりとした教会内部は厳かな感じがして、石板のすり減った通路には歴史の重みを感じました。宗教心があるわけではないものの、椅子に腰かけてキリストやマリア像を見ていると心が洗われていくような気がしました。ポアティエから東にしばらく車で走ると世界遺産にも登録されたサン・サヴァン修道院がありました。ここも中には誰もおらず、天井に描かれたフレスコ画をじっくりと見ることができました。フランスの田舎道はのびやかで、どこまでも菜の花畑や小麦畑が広がっていました。
それから古城巡りの出発地ともいわれるトゥールにいきました。まずは列車でも手近にいけるアンボワースの古城を抜けて晩年のレオナルド・ダ・ヴィンチが亡くなる数年間を過ごしたというル・クロ・リュセに歩いていきました。広々とした敷地の中に彼の過ごした館がありました。絵画や書籍や様々な発明の再現資料などがありましたが、大砲や戦車や、多砲身銃などもあり、結構軍事顧問的な仕事もしていたのかもしれません。精巧な設計や緻密なデッサン、きれいに整った文字など改めて限りない天才の凄さに圧倒されました。混み合ったルーブルのダ・ヴィンチの絵よりもゆっくりと作品群を身近に感じることができました。
翌日は予約してあったミニバスツアーです。トゥールの駅前に行ってみると8人乗りのバンは停まっていましたが、お客がいません。最低催行人数は4人とあったので後から来るのかと思っていたら、まだイースター前でシーズン前だからあなた方2人だけだ、とのこと。それではダメなのかと思ったら、2人だけだからオプショナルツアーでもいいといいます。当初近場の3,4か所だったものを100km先のシャンボール城までいってもいい、と。但し値段は倍払う必要がある、と。実は遠くのシャンボール城は行きたいと思っていたので足元を見られたのかも。どうせ個人ツアーならシュノンソー城へも行ってほしいと頼んだら、日本人は急ぎすぎて一杯回ろうとするからと柔らかくダメだと断られました。いくら個人ツアーといっても会社の都合はあるのでしょう。あきらめてまずは昨日通り過ぎたアンボワース城を見学しました。午後からはシュベルニー城、シャンボール城を見学しました。最初はゆっくり話してくれていたのが、次第に早口(普通の速さ?)になり、何を言っているかわからなくなってしまいましたが、日本語のガイドテープが準備してあり助かりました。
トゥールからジャンヌ・ダルクで有名なオルレアンに1泊し、パリへと向かいました。
パリはさすがに世界の観光都市だけあって、観光客だらけでした。ルーブルに行っても、オペラ・ガルニエに行っても人だらけ、人混みの中をかけ分けるような風で疲れました。
それでも中世美術館とピカソ美術館はメイン・コースではないのかそれ程混んでおらず、比較的ゆったりと見学できました。
最近の世界事情もあるのか、パリでは所々に武装警官がいて、婦人警官も小銃を構えているのには驚きました。ウクライナ、ロシア、イスラエル、パレスチナ情勢はより身近な問題なのでしょうが、世の中が敵対し、まるで大戦前夜みたいな嫌な空気に包まれてしまっています。何とか平和な世界に戻ってほしいと切に思います。

久しぶりの海外旅行で息抜きができ、仕事も張りきれるかな、それとももう余生を楽しむ事に専念するかな、と思い半ばですが、皮膚科のこと以外何も知らずに生きてきたので、それがなくなると今日行く(教育)、今日用(教養)がなく生きがいが無くなってしまう恐れ大です。
今はもう非常勤ですが、古くからの患者さんには、先生まだ元気でしたか、とよく言われますが、ともに健康を語らい合いながら診療ができたら、と思う今日この頃です。

924年 創建 ノートルダム・ラ・グランド教会 ポアティエ

正面ファサード 創世記の物語 楽園のアダムとイブ(左端)、受胎告知(右端)

キリスト降誕、幼子イエスの沐浴

サン・ジャン洗礼堂

サン・サヴァン修道院、天井のフレスコ画(ノアの方舟、バベルの塔など)

アンボワーズ城 遠景

ル・クロ・リュセでの死の床のダ・ヴィンチ、アンボワースから地下道で通ずる

ジュベルニー城

シャンボール城

ジャンヌ・ダルク像 オルレアン

サント・クロワ大聖堂のステンド・グラス、火刑にされるジャンヌ・ダルク

サモトラケのニケ ルーブル美術館

ミロのヴィーナス ルーブル美術館

再建が進むノートルダム大聖堂

キマイラ、ガーゴイル

 

オペラ・ガルニエ

ピカソ美術館

ピカソ美術館

中世美術館 貴婦人と一角獣のタピストリーからなる連作