顔のいぼ

いぼ(疣贅 ゆうぜい)はヒト乳頭種ウイルス(HPV)感染によってうつります。
手足によくでき、魚の目様になった場合は痛みますが、殆どは自覚症状はありません。HPVのサブタイプは現在では200種類ほどに分けられていますが、原因となるHPV型と臨床型には一定の関係があります。ただ、部位や年齢、免疫状態によって大きく臨床型は左右されます。
1)尋常性疣贅(HPV 2,27,57)
主に顔や手足にできる10mm以下の角化性丘疹です。いぼの中では最も多いタイプで外来患者のいぼの9割以上を占めるとの統計もあります。顔、首では、指状、糸状に飛び出た形を取り易いです。
一方、手足では扁平になり、足底では融合して、敷石状、モザイク状になります。爪囲では融合していぼ状局面を作ります。
2)扁平疣贅(青年性扁平疣贅)(HPV 3,10,28)
青少年、特に女子の顔や手背によくできます。
皮膚色から淡褐色の扁平に隆起した丘疹が多発時に融合して、一部は線状に並ぶ(Kobner現象)のが特徴です。難治性ですが、イボが急に赤み、痒みなどの炎症反応を生じ自然に消失することもあります。
そのほかに、ミルメシアといって、小児の手足にドーム状、中心が陥凹する、蟻塚様外観のイボがあります(HPV1)。 また陰部には尖圭コンジローマという、鶏冠様のイボができることがありますが(HPV6,11 ときにに2)これは性感染症の側面が強いです。
また、近年問題になっているHPV16,18型は子宮頚がんの原因となるハイリスク型HPVで取り分け日本で出遅れているワクチン接種が喫緊の課題となっています。
いぼの治療については特効的なものはなく、いぼ冷凍凝固法が皮膚科外来では一般的に行われています。
ただ、痛くて小児には無理なこと、長期間、頻回治療を要するなど問題点も多いです。
イボの治療については、過去にいぼ博士と異名をとる江川先生の講演内容をアップしました。
ご参考までに。(2013.7.28)