黒色真菌症(クロモミコーシス)

スポロトリコーシスと共に重要な深在性皮膚真菌症です。熱帯および亜熱帯の多湿地帯に多い疾患ですが、わが国でも500例以上の報告がなされています。一般的には皮膚の局所に局面性の病変を作り、薬物治療などで治癒しますが、稀に小児、免疫機能低下例では内臓、脳への転移もみられるという独特な真菌症です。めったにお目にかかるものではありませんが、元千葉大学皮膚科、現岩津皮膚科医院でこの疾患の日本での専門家である岩津都希雄先生にお願いして、その資料、写真などをホームページに掲載する許可を得ました。
 専門的な文献を一般向けに易しく書き直してもよいとのことでしたが、筆力及ばず解り難いかもしれません。ただ貴重な写真だけでも一見の価値は十分あると思います。
 真菌症などの分類は近年分子生物学的な手法が取り入れられて大きく変わりつつあるとのことです。この黒色真菌症の原因菌で、従来最も多いとされてきたFonsecaea pedrosoiという菌もそのような手法で2007年千葉大学真菌医学研究センターの矢口貴志先生によりF. monophoraであるということが明らかにされました。但しまだ本邦ではその認知度が低いと矢口先生は嘆いておられたとのことです。(岩津先生私信)

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