【住職閑話】~お酒~
年が明けて半月が経てばもうどこにも正月風景はありません。
大寒を前に、ここの所の寒さは一段と厳しく、その上乾燥しきっていますから風邪には十分注意したいものです。
この冬は節電ということもあり、テレビや新聞広告などでさまざまな防寒対策が目につきます。
お陰さまで私はここ数年風邪も引かずにいられるのは何故でしょうか?
体の中を温めるのが一番と自分勝手に思い込んで、適量のお酒をいただく功能でしょうか。
タバコは「百害あって一利なし」、お酒は「百薬の長」といいますが、科学的にも証明されているようです。しかし、体質に合わない方には申し訳ないことですね。
さて先日、親鸞聖人750回大遠忌ご正当報恩講法要に京都の本山へ参拝してきました。その際、ご懇志のお礼のお扱い品の中に「法縁」というラベルのお酒が入っていてちょっとびっくりしました。
よく神社では「お神酒」といって氏子に出されますが、本来仏教では五戒の一つが「不飲酒」、禅宗寺院ではよく「葷酒(くんしゅ)山門に入らず」と書いてあります。
浄土真宗はどうして?
たしかに宗祖親鸞聖人は「戒律を守らないことが救いの条件とはならない」と「肉食妻帯(にくじきさいたい)」をなされたし、蓮如上人はご門徒が上山参詣されると「寒い日には御酒等のかんをよくさせられて、道中の寒さを忘れさせるように」されたといいます。
それはすべてお酒も仏法への結縁の一助となるとの考えからでしょう。
でも正直、「おみやげにするまでのことはないのに」と思いました。