日光角化症の最新情報

昨日、日光角化症の講演がありました。昨年の2月に引き続いて信州大学名誉教授の斉田先生による講演でした。昨年と同様の演題ながら更にバージョンアップした講演でした。(2012年2月のHPの院長コラム参照)
日光角化症は中高年の顔面など露光部に発生する病変で、以前は癌前駆症と呼ばれていましたが、今回の講演では日光角化症から有棘細胞癌への移行は連続的なもので、日光角化症はすでに早期の癌と考えておいた方が良いとのことでした。
これは皮膚癌の中で最も多いもので、近縁のボーエン病、有棘細胞癌を合わせると全体の4割以上を占めることになります。
色白の人、日光を多く浴びる人に多く発生するために、オーストラリアの白人は40歳以上で40~50%、70歳以上ではなんと80%以上の人に日光角化症が認められるとのことです。日本でも沖縄や、南方の漁村などでは頻度が多くみられます。
今回の講演で最も目新しいのはフィールド治療の話題でした。ある一定領域では共通の発癌因子の影響を受けて、次々に癌が発生する可能性があるために(フィールド癌化)、今現在認める癌だけを治療するだけでは不十分でその領域(フィールド)全体を治療する必要があるということです。
それに適した薬剤が最近発売されたベセルナクリーム(イミキモド)です。週3回1か月を1クールとして塗布すると病変部が糜爛となり、更に1ヶ月後に不十分な場合は1クール追加治療すると治癒させることもできるというものです。
診断についてもダーモスコピーによってかなり確実に診断でき、治療経過も確認することができるようになったようです。
綺麗なスライドを使い専門的な話を判り易く説明してもらいましたが、なかなか当日の講演内容は書き現わせないな、と思っていましたが、インターネットの持田製薬の「日光角化症」情報サイトに斉田教授自らの監修による解説が出ていました。専門的に詳しく書かれたものと、わかり易く患者向けに書かれたものがあります。
(日光角化症、イミキモド、斎田)で検索可能
かなり専門的ながら、臨床写真も出ていて、日光角化症がどういうものか、老人性の疣とどう違うかなどの説明もありました。
これはその分野での日本の第一人者の書かれたものなので、日光角化症についての最新かつ正確な情報が得られると思います。
顔の疣や癌などが気がかりな人は必見のサイトかと思います。
一度訪れることをお勧めします。

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