疲れた一日

日曜日は、講演会の’はしご’でした。別に強い勉強意欲があるわけではなく、たまたま舞い込んだ案内状に、迷っていたのですが、運転免許センターの用事が思いのほか早く済んだので、京王プラザでの東京医大坪井教授10周年記念講演会に出たのでした。
失礼ながらあまり期待していなかったのですが、予想外れの中身の濃いものでした。
ステロイド外用剤の接触皮膚炎の講演では構造式によって4つのパターンに分けられ、交叉過敏性の起こることを詳細に説明してもらいました。当ブログでもステロイド剤による’かぶれ’が起こりうることを喚起したばかりでしたのでよけい印象的でした。
三橋教授の新しい皮膚疾患の見つけ方(本邦1例目の皮膚病)には恐れ入りました。
皮膚科の診断は暗黙知といって経験と記憶によるものが多いのですが、それのみではない診断も大切なことが示されました。確かに我々は一旦知った人は2度目には一瞬で分かります。これは理論や説明文の世界ではありません。知らない人は分からない、知っている人は分かる、どのように判断しているか我々は考えるまでもありません。一々馬鹿馬鹿しい、知ってるから解るんだ、当たり前のことを聞くな、と思うかもしれません。
ベテランの一瞬のスナップ診断は実はそういったものなのです。ただ、先生はそれでは教育にはならない、次世代への伝承はできないといいます。その他の診断のアプローチは省略しますが印象に残る講演でした。
午後からは例によって船橋皮膚科医会の西山教授の講演でした。いつも名人の講座のようで、並みいる皮膚科専門医をうならせます。今回のお題目はヘルペスと間違いやすい口の皮膚病です。炎症だから癌は除くといって始まったスライドは圧巻で、いつみても難問ぞろいで、自信を失わせるのに十分なものです。いつも専門医が四苦八苦するのを見るのを楽しみに講演をやっているいじわる爺さんではないかと思うほどです。
午前中から自信をなくする講演の続きで何か疲れ果てて家に帰りました。
一寸へこんでしまった一日でした。

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