中原寺メール4/22

【住職閑話】~活力~
 東日本大震災の日から未だ余震も治まらず、どうも意気が上がらずに日々が過ぎていました。
被災地や被災者の姿が毎日テレビや新聞で報じられて、何も出来ない自分にいささか嫌悪感さえ漂っていました。
 ところがそんな自分の思いに新鮮な風を入れてくれたのが自然界の樹木の営みです。
この四月、本堂前のしだれ桜は見事に咲いてくれました。可憐なピンクの花びらが木いっぱいにたわわに咲きました。思わず桜の木に合掌し感謝の言葉をつぶやきました。
数年前、この桜の木は雑草を憎む私の意地の悪さが原因で枯れ死寸前になったのです。それを思うと今年の花の見事さはなんとすばらしい復活でしょう。大地は常に不可思議な生命力に満ちています。
そして、去年の夏の酷暑で枯れてしまったと思っていた境内の山ぼうしの木も百日紅も葉が出、芽が吹き出してきました。人間の命ははかないけれど自然界の営みは強くたくましいものです。
いや、目に見えるいのちははかないけれど、目に見えないいのちははかり知れないことを感じました。あらためて、見えるものは見えないものに支えられていることを教わりました。
人間の力は弱いけれど、大自然は人間に力をくれるのですね。
ただ気づいていないだけなのですね。

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