穂高へ

夏季休暇をとって、久しぶりに山に行ってきました。ずっと晴れていたのに、山の2日間は雨、その前後は晴れと山の天気の気まぐれに恨めしい気がしました。
それでも、やっぱり山は、特に穂高はいい山です。天気が悪く、山に不慣れな家族も同伴のために、奥穂高の頂上は断念してしまいました。
上高地から梓川沿いにゆっくり歩きながら、明神、前穂、北尾根などを眺めながら進んでいきました。森の小径に入ると、空気も澄んで、心地よい気持ちでした。
その日はゆっくりと歩き、横尾で泊まりました。何回も通った道ながら、泊まったのは初めてでした。食事の前にお風呂にどうぞ、といわれたのにはびっくりでした。山小屋といっても半分は観光地の延長のようなものでしょうか。食事も宿屋のようでした。
翌日は雨の中を涸沢まで上り、ザイテングラードを奥穂高小屋まで登りました。雨の中ながら、小さな花が可憐に咲いていました。
ゆっくり登りながら、昔登った屏風岩、前穂高、滝谷などを同行者に説明しているとその頃の情景もよみがえってきます。あの頃は、夏の岩に、氷雪のジャンダルムや滝谷に、雪の明神、北鎌尾根にと青春のエネルギーを注ぎ込んでいました。当時の思い出は甘酸っぱく自分にとっては宝物です。
つい、昔はよかった、と過ぎ去った過去の自慢話口調になるのは老人の常套句かと我ながら苦笑いです。
山小屋の張り紙に書いてありました。ここのところ、山の遭難が増えています。気をつけましょう。特に多いのは60代の人、経験10年以上の自称ベテラン、単独行の人とありました。将に自分のことを指摘されているかのようでした。
こんな所、簡単に行ける、もっと動けるはずと思っていても、思いとはうらはらに体は動かない、といった悲しい現実があります。
歳とともに、登り方が違ってくるのも当然です。昔はあまり目にも留めなかった高山植物などを眺めながらの登山となりました。

河童橋2 四峰

北尾根 チングルマ

塩釜 トリカブト

キキョウ 黄色花2