あたらしい皮膚科学

「あたらしい皮膚科学」 第2版  清水 宏 著

北海道大学皮膚科教授、清水 宏 教授の講演がありました。
教授の医学に志した学生の頃から、皮膚科教授になり、皮膚科の教科書を著し、更に日本で比類のない、英文の教科書を著すまでの皮膚科医としての道程を情熱を込めて話されました。
1978年まだ大学生だった時に、南米医学派遣団を結成して南米を回り、国内では見ることのないさまざまな皮膚病に触れて、皮膚科を志したとのことでした。写真でみる皮膚病は重症の感染症、水疱症などインパクトのあるものでした。「一度経験した症例は一生忘れない」と述べていましたが、重度の先天性表皮水疱症など将にその後の教授のライフワークとなり、世界にその名を轟かせる発見の原点ともいえる症例でした。
「僕らの始めた派遣団はいまだに続いているのですよ」との言葉通り、慶応義塾大学医学部国際医学研究会第34次南米派遣団のお知らせがネットに出ていました。
教授の教科書は学生に人気があり、第1版の「あたらしい皮膚科学」は3万部もの増版を重ねたそうです。その後英語版も出し、最近全面的に改定して第2版を上梓したとのことです。11万枚の写真から厳選して550枚の写真を差し替えたということです。
近年、特にこの10年皮膚科学の進歩は目覚ましいものがあります。分子生物学の長足の発展はコンピューターの発展と呼応して医学分野でも新発見が相次ぎました。特に皮膚の表皮基底層部の構造が分子、蛋白質レベルで分かるようになり、水疱症を始めとした皮膚病の病因、名前、分類項目までも変わってきました。古典的な教科書に比べ先生の教科書はその斬新な情報も多く取り入れているとのことです。そして英語版と共に、ウェブサイトでも無料で閲覧することができるなど画期的な教本です。(残念ながら、臨床写真は買わないとみることができませんが)。医学生、皮膚科医を対象とした本ですので、一般の人には無縁のようですが、自分の皮膚病の調べなどがしたい時など有用かもしれません。
それで、小生のホームページでも簡単に見られるようにリンク先に北大のページを入れました。(作業の都合上、クリックしても数日はリンク先がでないかと思いますが、数日内に完了させる予定です)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)