食物アレルギーの臨床症状

食物アレルギーの臨床症状
即時型反応(主にIgEによる急性の免疫反応)と遅延型反応(マンゴーによるアレルギー性接触皮膚炎などで細胞性免疫によるもの、パッチテストで判定)に大きく分けられますが、ここでは前者の急性反応の症状についてみてみたいと思います。
アレルゲンとして感作された食物を食べたり、皮膚に付着したり、気道から吸い込んだりして数分から数時間以内に症状が発生します。
皮膚では、痒み、紅斑(赤み)、じんましん、血管性浮腫など。
目は痒み、結膜充血、浮腫、流涙など。
口では、痒み、口唇、舌、口蓋の腫れなど。
鼻では、痒み、鼻閉、鼻汁、くしゃみなど。
気道では、咳、かすれ声、ぜーぜー、呼吸困難、喉頭浮腫、肋骨陥没など。
消化器では、嘔吐、下痢、腹痛など。
循環器では頻脈(時に叙脈)、血圧低下、めまい、失神、四肢冷感など。
上記の症状のうちで、血圧低下などの循環器症状が出現した場合は勿論、皮膚症状や消化器症状に加えて気道症状が出現した場合は食物アナフィラキシーと考え、ショックへの対策が急を要します。
近年食物アナフィラキシーは増加傾向にあり、その8割が乳幼児とのことです。生卵、牛乳などが口囲などの皮膚のかぶれた部分から付着、侵入して発症した例や、こぼれた牛乳が遊んでいるうちに皮膚に付着し発症した例もあるそうです。
治療は、アナフィラキシーの発症から30分以内のアドレナリン(エピネフィリン)の注射が重要です。2011年からはショック緩和薬としてのアドレナリンの自己注射薬(エピペン)が保険適応になりました。
学校ナース、教師、救急隊による施行が法整備されているとのことです。
繰り返して誘発されたり、医療機関から離れた地域に住んでいたり、旅行などではエピペンの自己注射が適応になりますが、使い方に慣れて訓練していないといきなり飛び出る針を自己注射するのは難しいかもしれません。

体重によるエピペンの選択
欧州アレルギー学会・日本小児アレルギー学会
体重 15-30Kg: 0.15mg
      30Kg以上: 0.3mg

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