巻き爪の治療・VHO法

弾性ワイヤー法と同様に巻き爪に対して、彎曲を改善させる方法です。
爪縁に金属製のワイヤーで作ったフックを引っ掛けて、左右のフックを金属製のループを作って、巻き上げ用フックで巻き上げて引っ張り彎曲を矯正する方法です。ドイツで開発され3TO-VHO矯正法と呼ばれます。これは、バン産商が医療用に発売していますが、ライセンス販売しているために施術を行うためには同社が主催している講習会に出席してライセンスを取得する必要があります。
この方法の利点は、爪が伸びていなくても施行できること、また爪の先端部だけではなく、中間部が彎曲して痛みを訴えるケースにも使用できることなどがあります。爪が伸びるとともに、ワイヤーは前方に移動しますが、約3か月後に外して更に必要であれば再度装着します。半年~1年かけて矯正します。麻酔の必要がないので、糖尿病、虚血肢など基礎疾患のある人にも使用できます。
ただ、VHO法も、爪の側縁にまで肉芽が発達した例や、爪の幅が広くオーバーサイズになった例では適応はなく、ガター法やフェノール法などを選択する必要もあります。
また、材料費が高価なこと、フックを作ったり、爪の幅、彎曲に合わせてワイヤーを細工するのも意外と手間がかかったり、失敗して作り直したりする場合もあります。(器用で慣れた先生は失敗しないかしれませんが)
中央部で捻ったワイヤーをカットするのですが、その断端が当たらないようにアクリル樹脂でカバーします。時にはその部分が盛り上がってやや邪魔に感じる人もあります。
その後、より簡便に装着できる金属製矯正器具として、ポドフィックス、コンビペドなども開発されているそうです。

参考文献

河合修三: 5 陥入爪・巻き爪 4)金属製矯正器具による治療 皮膚科の臨床52(11)特:50;1614~1622,2010

VHO1VHO

VHO2

colectio2コレクティオといってフックとワイヤーが一体化され、巻き上げるだけでよい簡便なタイプもありますが、ジョイント部がやや弱い印象があります.