アルプス紀行(5)

今日は、コルチナ・ダンペッツォ最後の日です。ここも車が一杯です。路上駐車が多いのですが、駐車違反になるといけないのでパーキングに停めてロープウェイ乗り場を目指しました。大きく2ヶ所あるようでしたが、Faloria山への乗り場へと向かいました。小さな街なのでコルソ・イタリアの目抜き通りを抜けてグーグルマップを頼りにすぐに到達しました。途中で乗り継いでロープウェイ終点駅まで一気にあがりました。眼下にはコルチナの街並みが小さく見え、、対面の岩峰群(西、トファナ岩峰群、北東、クリスタロ岩峰群)もはるかに望めます。
ここファローリア山に続くものをソラピス(Sorapis)岩峰群といい、スキー場の奥へずっとトレールが続いているようです。このスキー場も2026年冬季オリンピック、ミラノ・コルティナ大会の会場の一つとなるようで、スキーコースの中にはオリンピックマークのついたコースもありました。イタリアでは1956年にコルティナ、2006年にトリノで開催されており、今回で3回目となるそうです。1956年コルティナ大会では日本の猪谷千春選手がアルペンで銀メダルを獲得しており、今日まで日本人でアルペン競技で唯一のメダル獲得者だそうです。
ロープウェイ終点駅から、スキー場の脇の道を登っていきました。四輪駆動車用の道もついているのですが、その道や、コースの中の道を辿りながら頂上へと向かいました。リフト終点にはヒュッテがあり、その上の広場状の頂上からは周囲の山や街並みが一望のもとに見渡せました。ゆっくりと登ってきた道を引き返しました。スキー場のスロープは今は野原となり、可憐な小さな草花が咲き乱れていました。遠めには目立たないものの、色とりどりで綺麗でした。駅に戻り、山々のパノラマ写真がありました。遠く、マルモラーダも見えていました。今回は近くから見ることは叶わなかったけれどいつか近づいてみたいと思いました。チベッタやマルモラーダに思い入れが強いのは、リカルド・カシンやヘルマン・ブールなどの登攀記が記憶にあるからなのでしょう。街に降りて、コルソ・イタリア通りを歩き、ジェラートなど食べながら一休みしましたが、気がかりなのは車の給油のことです。帰り路を考えるとここで給油が必要です。グーグルマップで当たりをつけて2か所行ってみましたが、セルフでお店の人がいません。とても一人で操作することもできず、いったんホテルまで戻り、近くの有人のスタンドを聞きました。でも、やはりコルティナだと。パネルの操作方法など教えてもらいましたが、デフォルトのイタリア語ではとてもやる勇気はありません。元のスタンドに行くと、係のおじさんが戻っているようでした。最初は何を言っているかわからず煩がられているようでしたが、給油をやってくれ、と2ユーロ差し出すとそれが奏功したのか、満タンにしてくれました。ほっと一安心です。給油だけでどっと疲れて、観光の余裕はありませんでした。もう帰って休もう、という気分でした。カーブの続く山道もさすがに3度目となれば、慣れたものです。カーブなどシフトダウンで久しぶりの山岳道路の運転が楽しめました。あっという間にホテルについてしまいました。
明日のボルツァーノに帰ることを考えて自作のロードマップを作製し、高速道路走行に備えました。翌朝は朝食後すぐに出発。ミズリーナを抜けてドッピアーコ方面に向かいました。早朝で車も少なく、森林を抜ける快適な道でした。途中湖の畔で一休み。自動車道路ですが、平面道路のために100㎞以下でも結構スピード感があり、緊張しました。大きく迂回してチロルの北部近くを通るために表示もドイツ語だったり、家並みもなんとなくドイツ圏の雰囲気を漂わせていました。高速道路の入り口、出口では緊張し、ボルツァーノの給油でもまた2ユーロのお世話になりましたが、無事レンタカーも返却でき、あとはヴェネツィアへと進むだけです。
小生のアルプス紀行もこれでお終いなのですが、最後に立ち寄ったボルツァーノのドゥーモとヴェネツィアの写真もついで(?)にアップして終わりにしたいと思います。