アルプス紀行(3)

朝、ホテルで聞いた市バスに乗って、レンタカー店に出向きました。オフィスはビルの3階にあり一寸見つけにくい、男性が1人で対応してくれましたが、ここで初めてカーナビが付いていないことを知りました。なんと迂闊なことか、しかもロードマップも無い、グーグルマップを使えば、との事です。まさに頭が真っ白になりました。(後から思えば、妻は運転の際はガーミンを準備していたものでした。)今日はゆっくりとドロミテの山々や街々をみながら、コルチナ・ダンペッツォまでのドライブを楽しもうと思っていたので途方に暮れてしまいました。しかし自ら招いた失敗、自分で何とかしなければ先に進まないと気を取り直して出発しました。車は6速マニュアルで、先ずバックが上手く入りません。6速に入り危うく前の壁にぶつかり兼ねない始末。近くにいたおじさんにバックを頼んでやっと発進という体たらくです。数年前にもやった筈なのに、シフトレバーのノブを持ち上げてバックすることも忘れていました。さて、公道に出てどちらに走るかも分かりません。運転の練習を兼ねてしばらく走っては路肩に止まり、グーグルマップで進路確認ということを小1時間繰り返していました。当初カレッツァ湖に向かう予定でしたが、ガイドブックもないし、道を間違えて、シウジ、カステルロット方面へ向かったようです。道理で見覚えのある渓谷、山なみが続きます。オルティセイをはじめ瀟洒な町が出てはくるのですが、それを愛でる余裕はありませんでした。そういえば敬愛する皮膚科の先生が家族旅行でドロミテ方面に来ていることを知りました。何と今オルティセイの山小屋だと。facebookでニヤミスですね、と送ると向こうもそうですね、とびっくりしていました。世の中狭いものです。何回か道を間違えながらも、やっとPasso Pordoi(ポルドイ峠、ドロミテ街道の最高点で見晴らしのいい所)までやってきました。ここではじめてゆっくりと大休止、やっと先が見えてきました。でもなんと空が青く、拡がって岩山と相まって雄大な景色でしょう。しばし見惚れていました。あとはPasso di Falzaregoを目指して峠道をひたすら下ればいいはずです。そしてやっと眼下にコルチナ・ダンペッツォの街並みが見えてきました。今日の宿はここからミズーリ方面へ山道を上った所です。明るいうちに辿り着けてほっとしました。フィアットの愛車に感謝です。ここで嬉しいハプニングが。今日の夕方からホテルの前でラテン音楽と共に、ゲストには一寸した軽食が振る舞われると、しかもオールフリーとの事です。シャンパン、ジュース飲み放題、オリーブも皿いっぱい、オニオン、ポテトのフライ、カナッペも美味しかったです。たらふく飲み食いしました。今日1日の苦労も吹き飛びました。天気もいいし、さあ、明日はTre Cime(Dreizinnen)です(続く)。

注) ウエイターさんに聞いたら写真をアップしてもいいよ、とのことでした。