国立考古学博物館の展示物は印象的でした。
最初にアレキサンダー大王の石棺があり、その馬上の大王の彫刻は素晴らしいものでした。本当に大王のものかは不明ですが、BC305年頃の制作だそうです。その隣の「嘆き悲しむ女たちの石棺」もシドン王室のものだそうで、その臨場感はまるで現代のものとでもいえそうでした。アレキサンダー大王や、アウグスツスの頭部の像もとても端正なものでした。残念ながら全身の彫像はみることができませんでした。
古代医学の神様といわれるアスクレピウス像もありました。
トロイ遺跡やヒッタイトとエジプト間で結ばれた世界最古の平和条約の楔型文字の粘土版もみものでした。
最後の夜は、街へ出てヴァレンス水道橋をみて、グランバザールを見物しました。元々何も買う気がなかったせいか、あまり客引きの声もかからず逆に一寸気抜けした思いでした。
最後のディナーは少し洒落ていこうと思ってガラタ塔に登りました。ガラタ橋の袂のカラキョイから急坂を登りました。ジェノバ人はよくこんな不便な坂道沿いに街を造ったと思いながら登りましたが、敵から身を守るのには適していたのかもしれません。
塔の上からはライトアップされたモスクや港が綺麗でした。
ヨーグルトのかかったケバブは美味しかったですが、ワインもビールもないといわれオレンジジュースになったのには一寸がっかりでした。
西と東の融合した街イスタンブール、カオスのような活力に満ちあふれた街、将来どんな発展を遂げていくのでしょうか。機会があればまた訪れたいところです。
アクスレピウス、古代ギリシャの医学の神。アポロン神の息子。美味しい水や温泉、澄んだ空気や瞑想、娯楽などを通して人間の健康回復などに貢献した。医学に才能を発揮し、師のケーローンをも凌ぎ、ついには死者をも甦らせたという。生老病死の世の中の秩序を乱すものと糾弾され、ゼウスによって雷に打たれて死んだという。
DNAをあやつり、ドリーをも誕生させ、神の領域へもふみこもうとする現代の医学者への警鐘とも暗示させる逸話かもしれない。
アクスピレウスの杖。医学のシンボル 蛇が巻き付いている。現代でも医の象徴とされ、WHO,米国医師会のマークに使われているという。救急車、軍医、衛生兵の徽章にも用いられているそうだ。
手術道具を持った息子テレスフォロス
薬学のシンボルとされるヒュゲイアは娘
ヒポクラテスもアスクレピウスの子孫という。
「古代への情熱」などで有名で、驚異的な語学力をもって18か国語をも操ったという。トロイ遺跡の発掘の立役者だが、間違いや虚言も多く、毀誉褒貶も多い。
BC3000~AD400に亘る、ⅦA(下から7番目の前期の町)が戦火で滅びていてホメロスの書いたトロイとギリシャの戦争(紀元前13世紀頃)と推定されているが確証はない。
ヴァレンス水道橋、T1トラムヴァイでグランバザールから2つ目のアクサライ下車、徒歩でいける。水事情の悪かったイスタンブールの街へ水を供給していた。貯水槽となる地下宮殿へも水を供給していたらしい。
イスタンブール最後の夜。ガラタ塔からの夜景。石段の坂道を登り、ガラタ塔に至る。石組の古い塔は、城壁やアヤ・ソフィアなどの石造りの建造物も彷彿とさせる。ざらざらの手触りが何かしら心地よい。