水虫に似た皮膚病

先日、船橋皮膚科医会がありました。講師は北里大学名誉教授の西山先生です。いつものように次々に繰り出される臨床スライドは圧巻でした。足だけでしかも水虫ではない皮膚病でこんなにいっぱいの疾患があり、また1時間も間が持つなんて一寸驚きです。あんまり多すぎるので、後から皮膚科学の教本を引っ張り出してみて、西山先生が言及しなかった疾患がどれ程か調べたほうが早い位でした。
多分、絶対無いのは化粧かぶれとニキビと円形脱毛症位ではないかと思えた程でした。
無論すべての疾患が足だけにできるわけではなく、大体ある疾患の部分症状として足にもみられる、といったものでしたが、足の写真だけみせられると何だか判らない病気が多くありました。ヘイリー・ヘイリー病だとか、疥癬だとか、梅毒だとか、エイズのカポジ肉腫だとか陰部に特徴のある病気の部分症状もありました。
かつてあるベテランの先生が皮膚病をみるとき、「シタ」をみることが大切だ、とおっしゃっていましたがそれは「舌」と「下(しも、陰部)」のことです。そこに病気のヒント・本体が隠されていることがあり、普段他人にみせない場所だから見過ごしがちだからです。
これに、足も加えた「下」をみることが重要だということが認識されました。
確か、昔のヨーロッパの著名な病院はガウンを着せただけで全身をくまなく診る、と聞いたことがありました。さすがに現在はそんなこともなかろうし、人権問題にもなるし、お互いの労力、時間は大変でしょう。
しかし患者さんは関係ないと思ったり、その他の理由で一部分しかみせてくれないこともあり、常に全体、全身を考えておくことが必要なのだ、と思いました。

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