接触皮膚炎(かぶれ)

湿疹・皮膚炎の代表ともいえる接触皮膚炎について調べて病因・病態を皮膚疾患解説にアップしました。
湿疹は皮膚科の疾患の中で最も患者数が多い疾患です。アトピー性皮膚炎もこの中に含まれます。ただ、湿疹の病態も、原因も多岐に亘り、一筋縄ではいきません。その中で接触皮膚炎(かぶれ)は最もクリアーカットに原因がわかり、それを除去すれば治癒に至ることが可能です。また生体内での病態、免疫現象が最も明らかにされ、研究が進んでいる分野です。
その病態、病因について調べてみました。湿疹のアレルギーはⅣ型アレルギー(遅延型アレルギー)といって、花粉症やアナフィラキシーなどのⅠ型アレルギー(即時型アレルギー)とは機序が異なります。Ⅰ型アレルギーが血液検査でIgE RIST,RASTなどをみて調べられるのに対し、Ⅳ型アレルギーはパッチテストなどの別な検査がなされます。時々、湿疹のアレルギーの検査をして下さい、といって血液検査を求められることがありますが、残念ながら採血では解りません。(アトピー性皮膚炎のアレルギーに関しては複雑でⅠ型・Ⅳ型も関与しているとされますが、別稿で述べたいと思います。)
Ⅳ型アレルギーの病態は良く解っているといっても、完全には解明されてはいません。皮膚に原因物質が触れて、それが抗原になり、メモリーT細胞ができるまでを「感作相」といい、その後に生体が抗原に再び触れて湿疹をきたすのを「惹起相」と呼びますが、それに加担する物質、細胞が細かに解明されているようです。
ただ、調べる程に複雑で難しく、よく解りません。小生の理解力の乏しさもさりながら、関与している細胞、免疫現象が完全には解明されていないようですので、将来また説明が変わってくるかもしれません。
難しい理論はともかく、アレルギーになるのに一定の時間、期間原因物質に触れている必要があるのが分かると思います。
ですから、「ずっとこの化粧品を使ってきて大丈夫でしたから、これは原因ではないです。」とは言えないことがわかります。先日も2週間前に湿疹になり、6年間使っていて大丈夫だった下地クリームをパッチテストしたら陽性になりそれが原因とわかったケースがありました。
接触皮膚炎の病因、接触アレルギーについての専門的な説明はさておいて、「接触皮膚炎診療ガイドライン」の中に”疑うべきアレルゲン——-部位からの推定、問診からの推定”という項目がありました。身の回りのものは全て、かぶれの原因になり得ますが、具体的な物質・成分の説明があり、普段注意するのに役立つと思われましたので引用しました。参考になるかと思います。
個別のかぶれの実例についてはまた追って解説してみたいと思います。

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