あれから10年

東日本大震災から10年が経ちました。
テレビではそれに因んだ色々な放送がありました。家族を津波で失った人々、故郷を追われた人々、復興も束の間、また台風災害に家を失い、さらにコロナで追い討ちをかけられ、今が一番辛いとの声もありました。これでもか、というほどの災害が何故にこうも打ち続くのかと思うとやり切れない気持ちで、気分も落ち込んでしまいます。それでも前向きなコメントを多くの人が述べていました。その逞しさに感嘆するとともに、どうか頑張ってうまく開運して欲しいと願わずには居れませんでした。
昨日はフクシマ50という放送があり、原発事故の史実を元にしたセミドキュメンタリードラマでした。あの当時、NHKの放送を通してしか知り得なかった経過が、実はとてつもなくギリギリのタイトロープを渡りつつ、一歩間違えば東京も含め東日本は核汚染で全滅していたかもしれないと知ってゾッとしました。そして、現場では決死の覚悟で事故に対応していた人々がいたことも知りました。
あの時の地震は今まで経験のないほど異様な事態でした。ビルの中にいて、まるで地面に立っているのではなく、沼地の中に浮かんでいるような揺れ方でした。日本列島はまるでマグマ、プレートの上に薄皮がひび割れるような不確かな地面の上に位置しているかのようです。昔から、また将来に亘ってもこの運命から逃れることはできません。誰の身にもまた同じような災害が起こり得るのだと思うと戦慄を覚えます。日本人の諸行無常の心もこんなところから来ているのかもしれません。日本人である限り、この事実と対峙して生きていかねばなりません。これからは、色々な科学の進歩で、できるだけ予知機能を高め、危険を避け得る手立てを構築していってもらいたいものです。また日頃から対応力を養っていかないとと、自戒の念を新たにしました。
自分は東北のボランティアにも行っていないし、何も手助けしていないと忸怩たるものがありました。人一人の力では何もできないし、とは思いますが、何かしなくては、と焦っているところです。

思い返せば、このブログを立ち上げたのが丁度大震災のすぐ後のことでした。10年経ったのか、という感慨と10年ひと昔というけれど光陰矢の如し、あっという間の10年だった気もします。ひたすらに馬齢を重ねただけの年月だったようで、これまた忸怩たる思で・・・。想い茫々。
最近時折YouTubeで森進一の 「ひとすじの白い道」を聞いています。心に沁みる歌です。