新型コロナウイルスは新たなステージに

新型コロナウイルス感染症はまさに全世界のパンデミックとなってしまいました。
現在も刻一刻と状況は変わっていて、昨日の情報は今日は通用せず、感染者数も、死亡数もうなぎ上りです。
欧米の悲惨な感染爆発と比べると、先行した日本の感染爆発が遅い、まだないのは欧米では七不思議とされているようです。相変わらずPCRをやらずに感染者総数を隠して低く見せているという説もあるようです。感染者総数は隠せますが、死亡者数はそんなに隠蔽できないでしょう。ここまで日本はかなりコロナに対して善戦しているかと思います。しかしながらここ数日首都圏で感染爆発が差し迫っている危機的状態となってきています。感染者は爆発しても、ドイツでは死亡者数は爆発していません。仮に感染者がオーバーシュートしてもドイツは参考になるかと思われます。あるいは韓国も。
感染者の検査数を絞ることが現在日本の感染爆発を抑えているようで、これでいいのだ、逆に検査を絞っているからよいのだという風潮が増えてきているようです。
前回、全数検査には反対だと書きました。しかし、これは不完全な防御態勢であればやらない方がまし、という考えを述べました。
欧米の専門家が述べているように日本は診断が甘いというのはその通りだと思います。
感染症の基本は診断をしっかりつけて、それに対処するのが根本であるというのは論をまちません。全数とは言わずとも、感染者の診断はきっちりと付けるべきだと思います。風邪かインフルエンザかコロナか分らずにふらふら出歩いて周りに感染を広げているのが今の日本の状態だと思います。清潔好きの真面目な国民の頑張りで何とか踏みとどまっているのが現状かと思います。
このままでは不顕性感染者(ヘルシーキャリア)が中心となってミニクラスターを形成、次いでメガクラスターとなってアウトブレイクする公算が大だと思います。
では爆発しかかったら、軽症者は一般の街のクリニックに振り分けて、重症者を指定病院でみればよいでしょうか。これは非常にまずいやり方だと思います。大体コロナウイルスに対する治療方法はありません。防御設備のない町医者に患者がおしよせて診断(どうやって診断するのでしょうか)、しても手当はなくコロナらしいから家で休んで下さい、というだけでしょう。それとも不十分な体制でPCR検査を行い、クラスターを拡げるのでしょうか。狭い待合室に感染の怪しい人が密集して長時間順番を待っていれば、武漢や北イタリアやダイアモンド・プリンセス号を再現するようなものです。意味ないばかりかクラスターをさらに爆発させます。
ではどうすればよいか? 韓国や欧米諸国がやったようにドライブスルーかウォークインスルーの検査を郊外の大規模施設や競技場のようなところや野外テントのようなところで行うのはどうでしょうか。時間、空間を分けてスマホなどで予約制にして感染のリスクを極力減らし、担当部署から検査の可否、データの管理を行う、など出来そうな気もします。勿論個人情報の保護は必要で中国のような中央統制は無理でしょうが。そうすれば、孤発例の追跡もより可能かと思います。仮にアウトブレイクして現在のイタリアのような状況に陥ってからはもう検査の余力もなく、なす術がないように思われます。日本では何故検査への行動が迅速ではないのでしょうか。
仮に指定感染症で陽性なら入院だから、医療崩壊しないために検査しないとすれば本末転倒です。軽症者は退院して自宅に留まるか、オリンピック村などを指定施設にして隔離管理すればよいかと思います。
いろんな事情がありPCRが進まないのかもしれませんが、過日PCRの数を1日1万件とするとしたのではないでしょうか。それにしてはPCR総数が少なすぎます。安全な検査体制がないのかもしれませんが、対処が成功しているかどうかば別にしても欧米ではすかさず数十万件の検査をあっという間に達成しています。お隣の韓国も。
日本の今までの感染者の少なさ、死亡者の少なさは国民、コロナ対処にかかわる人々の頑張りの賜物かと思います。でも皆さんが言うとおりにここが踏ん張りどころです。
昨日、iPS細胞でノーベル賞を取った山中教授も自身のフェイスブックを立ち上げて、コロナとの闘いはマラソンのようだ、気を引き締めて全国民が対処していかねば、「桜は来年も帰ってきます。人の命は帰ってきません。」と述べていました。将に正念場に差し掛かっているようです。我々一人ひとりの行動が趨勢を左右するかと思います。