食物アレルギー

蕁麻疹の原因として、ほとんどの人がまず食べ物を考えるようです。
「何を食べてあたったんだろう。」「何が原因か(食物)アレルギーの検査をして下さい。」
「やってもいいけどむやみやたらに食物IgEを検査してもあまり意味はありませんよ。」「それに食物が関係するものは全体の4-5%に過ぎないと言われますし。」という問答でじんましん診察がはじまることが多いです。
では食物アレルギーはスルーしていいかというと全くそうではありません。
この分野は(も)、進歩が著しくていろいろなことが分かってきています。しかし、何か特定なものを食べると必ずすぐに蕁麻疹がでるといった、すぐに原因がわかるような単純なものばかりではありません。むしろ「風が吹けば桶屋が儲かる」のように全く関係がないようなものが繋がっていることも多々ありますし食品添加物が原因になっていることもあります。また運動や、アスピリンなどの薬物との協同作業で発症することもあります。
「サーファーに納豆アレルギーが多い。」「果物アレルギーの原因が花粉症だった。」「牛肉アレルギーの人は血液型A型、O型の人が多い。」「その原因がマダニだった。犬を飼ってる人に多い。」「豚肉アレルギーは猫好きの人に多い。」「魚のアレルギーは魚そのものではなくアニサキスだった。」などなど「何それ?」と思うようなこともあります。
ただこれら一見無関係と思われることがらも風と桶屋のようなこじつけではなく深い科学的な関係が分かってきています。
またアトピー性皮膚炎では、従来食物が原因とされIgE検査などを元に厳格な食事制限が行われていた時代がありました。ところが経皮感作、経口(腸管)免疫寛容という免疫学の病態解明によって、食事指導が逆転するほどのパラダイムシフトが起こってきています。
これら全部を網羅することはできませんし、それぞれの専門書、ガイドラインなどもありますので、一部最近のトピックスをピックアップしてみたいと思います。