あせも

 「あせも」については昨年2011年の7月1日にこのブログに書きました。この度ミレニアムに「あせも」の記事を書きました。 夏場になるとあせもは増えてきます。特に節電などで高温、多湿で汗が溜まりやすい環境にあると注意が必要です。繰り返しになりますが、ブログ内容を再掲します。 あせも(汗疹)とは多汗があり汗がたまってできたもので汗貯留症候群の一つですが、乳幼児は成人に比べ単位面積当たりの発汗量が多く、体温調節機能が未熟なためにでき易いとされます。汗管が閉塞された部位によって、いくつかに分けられます。1)水晶様汗疹・・・角層で閉塞したもので粟粒大のきらきら光る水疱が多発しますが、ほっておいても数日で消えます。 2)紅色汗疹・・・表皮内で閉塞したもので炎症を伴うので、かゆみ、赤み(紅斑・丘疹)・水疱などが混じります。 湿疹化したり(汗疹性湿疹)化膿したり(膿疱性汗疹)します。 3)深在性汗疹・・・表皮から真皮内の閉塞で起こりますが熱帯地方で起き、特殊な型です。 成書をみると、一番大切なことは、発汗の予防だと書いてあります。涼しい環境および吸湿性のよい衣類の着用やこまめな交換で発汗の予防に努めます。また発汗後にはぬるめの温度での入浴、シャワー浴などで頭髪、皮膚を清潔に保つことも重要です。またごわごわした衣服などの擦れ、過度の石鹸による洗浄、紫外線などの物理的刺激もよくないとされます。局所収斂剤のカラミンローションは清涼感のために役には立ちますが、皮膚の乾燥化のためにかえって湿疹を悪化させることもあります。ベビーパウダーなども使いすぎると、汗腺を詰まらせてかえって悪化させることもあります。  皮膚科のバイブル的なRookの教本には、重要な事は涼しく風通しの良い環境であり、一日数時間でも有効だし、逆に高温、多湿の環境のままではどんな薬剤も効果は限定的と書いてあります。 一般的にあせもの代表といえる2)の紅色汗疹の治療ですが湿疹性であれば、ステロイド剤を使います。ワセリンなどの軟膏基剤は汗の腺をつまらせますので、クリームなどの水溶性の基剤を使用します。あせもは乳幼児に多いですが、肥満していたり、高温・多湿の環境では間擦部(くびれた部分)などは汗が貯まりやすく、大人でもあせもができ易いです。このような部位では細菌で化膿したり、カンジダ菌が増えやすくなっています。これらでは逆にステロイド剤で悪化しますので注意が必要です。あせもと思っても赤いブツブツでも違う病気もあります。その見分けが結構難しく、あせもの薬をもらったのに、効かない、却って悪くなった、ということにもなりかねません。 “あせも”の治りが悪いときは早めに専門医療機関を受診するようにして下さい。

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