ウイーンにて(2)

ケストナー通りも朝になると静まりかえって、日中の喧騒が嘘のようです。朝からメイン会場で講演を聞きました。午前の最後のプレナリーセッションの一人は慶應大学の天谷教授の講演でした。かつて千葉県皮膚科医会で講演された内容も含まれていましたが、さらにバージョンアップした内容でした。皮膚のバリア構造の話、それに加えて、アトピー性皮膚炎で皮膚表面のmicrobiomeが大きく関与していることをADAM7ノックアウトマウスを使った実験などで解説してました。ライブイメージングによって皮膚の3次元構造や細胞の動きを臨場感を持ってみせる手法は久保先生や椛島先生の講演で大分慣れましたが、初めて見る人にとっては、新鮮な驚きだったと思います。講演の後の拍手がしばらく鳴り止まなかったのも素晴らしい内容だったからでしょう。
午後は、郊外のウイーン中央墓地へ行ってみました。国鉄(Sバーン)で行きました。駅に降り立ってすぐに墓地はありましたが、高いレンガ壁沿いに歩けども歩けども入り口はありません。しばらく歩いて入り口に辿り着きましたが 、同じ駅でもトラムの駅が入り口前でした。広大な墓地でした。2番目の入り口から入って中央の教会まで大きな通りがあり、途中の左手に著名な音楽家達を祀った一画がありました。モーツァルトの記念碑を中央に、その左右にベートーベン、シューベルト、ブラームス、ヨハン・シュトラウスなどの墓が並んでいました。ただモーツァルトはその死の真相も、埋葬地も不明なのだそうですが。
帰りは71番トラムでゆっくりと帰りました。途中の下町では週末ということもあってか、蚤の市やお祭りのような賑わいをみせている通りもあって時間があれば立ち寄ってぶらぶら歩きでもしてみたくなる所でした。
夕方はホテルの前で軽めの食事です。賑やかな通りを行く人を眺めながらの食事でした。夜はVolksoperでオペラ椿姫を観賞しました。日本で予約を取っていったのですが(定かな場所まで知らずに来ましたが)  なんと最前列の中央の席でした。指揮者は目の前でオケピもかぶりつきでした。よくあなたは公演中に居眠りすると妻に注意されるのですが、さすがに居眠りどころではありません。音楽も歌も迫力があって素晴らしかったです。ただ、ヴィオレッタの相手役のアルフレードは中国人(系?)で歌は素晴らしかったけれど、何かアレッて感じでした。でもドクトル グレンビル役は日本人でしたから別に国籍にこだわることもないのかもしれませんが。音楽の方でもバイオリンは何人かは多分日本人でした。
2日続きの観劇となり、やや疲れましたが、満足した1日でした。

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