マイアミにて3

昨日は、お昼にビスケーン湾のクルーズに行ってきました。ベイサイドマーケットプレイスから出る湾内クルーズがいくつもあるようでした。マイアミはスペイン語が日常的に話されていて船の案内もスペイン語が先で、その後が英語でした。何かアメリカなのか、中南米のどこかの国なのか分からないような感じでした。
湾内の島々には億万長者たちの別荘が立ち並び、壮観でした。いろいろと説明していましたが、よくわからない中に、ジャッキー・チェンやビル・クリントン、タイガー・ウッズ、エリザベス・テイラー、マイケル・ジャクソン、はてはアル・カポネの名前が出てきました。
日射しが少しあり、ウインド・サーフィンなどもやっていましたが、風も強く一寸肌寒いクルーズでした。
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午前中は総会がありました。Fillmore Theaterという別の建物で大きな会場でした。普通総会などというと、年次会計報告、事業報告などがあって、表彰なども淡々と進むイメージがありますが表彰者にはスタンディングオベーションです。会長もペットボトルの水を飲みながら大きな身振り手振りで壇上を歩きまわり、世界をリードするアメリカの皮膚科のミッション、将来の夢を熱く語っていました。
最初の講演はEBM(evidence based medicine)の話でした。Tame the Dragonと題してEBMを本来の姿に見直そうというものでした。最近は日本でもEBMばやりで、治療方針はEBMに基づかないものはダメです。確かに標準治療は大切で一定のレベルを保つのに必要ですが、そのEBMがドラゴンのように巨大になり一人歩きをしているというのです。人間の作ったものですから結構バイアスがかかっているものもあるようです。ドラゴンを手懐けて本来の姿に持っていく必要があるという警鐘はEBM先進国の米国だけに説得力がありました。
続くメラノーマの講演は中国系のアメリカ人でメラノーマの遺伝子の変異の話を車のエンジンの配線に例えて、そのどこが異常かを見ていけば全貌の解明に近づくような話をしていました。遺伝子のブレーキもアクセルも基本は車の設計図と同じだとの話のようでした。実にシャープな話をする人でした。実際にそれらのポイントを押さえた遺伝子の治療も始まっているようでした。ただ、車の部品が壊れて動かなくなった例え話を自分の買ったトヨタの話で説明していたのはやや複雑な思いでした。
次の講演もメラノーマの初期病変を見つけていかに死亡率をさげていくかの講演でした。メラノーマがこれ程注目されるのはそれが一番多くの人を殺す皮膚疾患だからだといっていましたが、特に欧米人にとっては大問題なのでしょう。
その後Uitto教授の講演がありました。表皮水疱症の大家で、日本からも幾人かの先生が学びに行っていて多くの業績をあげています。日本でも有名な教授です。直にその講演に接する事ができ、それだけでも来た甲斐があったかな、と思いました。
これらも講演が終わるとスタンディングオベーションです。まるで皮膚科の大リーグのようだなと感嘆しました。

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