皮膚の色(1)

先日、京都で日本皮膚科学会総会がありました。会頭は慈恵会医科大学の中川先生、乾癬の専門家です。それで、招待講演も”ライフワークである乾癬の分野を通して長い親交のある” King’s College LondonのBarker先生が Optimising outcomes in Psoriasisという演題で講演されました。過去、現在、将来に亘る乾癬のレビューで素晴らしいものでした。
ここ数年の生物学的製剤などや病態解明の進歩を解説されながら、なおその薬剤コストの高さ、治療に適さない人、効果のない人、副作用のある人のあることも言及されました。適切な患者に適切(最適な?)治療を供給することの重要性も指摘されました。このためにさらなる分子生物学、免疫学などによる病態の解明によってより適切な薬剤の開発なども見据えておられるようでした(抄録からの類推)。
また慈恵の皮膚科で「教室が精力的に関わってきた神経線維腫症1型」などの特別講演もありました。前任の新村眞人先生がその道の大家でした。イボ神様でもありました。めったにお目にかかることもなく、学会でまとまって取り上げられることもないような企画に、誘われて出てみました。カフェオレ・スポット、気になりつつもまともな知識はありません。
それと、一寸前の光線療法推進の会で白斑のことを学び、「白斑の診断と治療 up to date」の教育講演にもでてみました。来週は浦安で山形大学の鈴木先生による「皮膚の色に関する最近の話題」という講演があります。
皮膚の色が白くなろうが、黒くなろうが、それだけでは機能的にはなんら問題はないと思われます(細かく言うと紫外線発癌など関係するかもしれませんが)。しかしながらQuality of Life は大きく損なわれます。
たまたま皮膚の色についての講演会が続いたので、皮膚の色についてしばらく取り上げてみたいと思います。