キーウエストへ

学会の後はキーウエストへのドライブを予定していました。 空港のホテルに泊まったし、前日にレンタカーセンターの下見もしたので、安心して寝過ごしてしまいました。 適当でいいよ、と言われていたので9時の所を9時半にセンターに行きました。すぐに車を貰えると思っていたのに、30分以上も待たされました。手続きを済ませた後も何か順番がどうだこうだと言われて待てといいます。仕方ないかと思っていましたが、所々のカウンターではおしゃべりをしながら’遊んでいる’女の子もいましたしそんなに人も並んでいません。何か釈然としないながら郷に入っては郷に従え、かと諦めました。さらに30分以上たってやっと順番が来て下の階に行けといわれて何かまた手続きがあるのかと思っていたらずらっと並んだ車にただ鍵が付けて置いてあるだけでした。勝手に乗っていけという感じです。それなら何も1時間も待たせることなんかないんじゃないか、と憮然とした思いでした。 ただ、下の階にいたおじさんは親切でした。英語よりもスペイン語が母国語の感じの人で、車の使い方を念のために聞いたら、よく解りにくいながらもP,N,D,Sの説明から始まったので逆に閉口しました。お礼にと1ドル札を出すと頑として受け取りませんでした。アメリカにも色々な人がいるなー。 道路は南へ一本道で簡単だというので、カーナビも要らないくらいかと思ったものの着けて置いて良かったです。出だしそうそう、曲がる道を一本間違えてしまいました。そうすると止まってみる訳にもいかないし、ナビがcalculationといっている間にもどんどん予定外の道へ進んでいってしまいますので、一寸パニックになりそうでした。やっと南への道に入った時はほっとしました。 道はUS1号線で、キーウエストのsouthern most pointまで続いています。US1はほとんどが片側1車線なので追い越しもままなりません。そして制限速度45か55マイルなので皆ゆっくり走っていました。 途中、キー・ラーゴや7mile bridgeの手前で休憩しながらゆっくり走って行きました。残念ながら7mile bridgeそのものは走りながら途中で止めることもできませんので写真にできませんでした。でも広い海の中で空中に向かって伸びている橋を登るときはまるで滑走路が空に続いているような変な感覚にとらわれました。 途中何度か道端に車を止めて、写真を撮ったり遠くの船を眺めながら時を過ごしました。 ユーミンの「中央フリーウェイ」や「海をみていた午後」を思い浮かべたりしながらボーとしていました。そのせいもあってか、キーウエストの空港に着いた時は午後4時をまわっていました。島は小さくて駐車場も少なく、自転車の方が便利と書いてあったのでレンタルしましたが、後でこれが大変なことになってしまう原因となりました。 島は長方形で空港は右下(東南)にあります。1周2時間コースといわれたので7時半の帰りの飛行機には十分だと踏みました。どっちからまわってもいい、といわれましたが、夕焼けを見たいと言うと時計回りなら帰りに夕焼けを見ながら帰って来れるとのことでした。 最初はゆっくりとビーチで楽しむ若者等を撮りながら進んで行きました。左下(南西)にSouthernmost pointという所があって一応US1の終点になっている所だそうですが道の曲がり角の一角に赤色の碑が立っているだけで何の変哲もない所でした。しかも地図でみると最南端でもなさそうです。しかし記念に(証拠に)写真を撮って来ました。確かにガイドブックにがっかり名所ランキングに入りそうと書いてあるのが頷けます。 そこからヘミングウェイの家を目指したのですが、ここら辺りからがケチのつき始めでした。地図を生飲み込みにして走り出しましたが、行けども行けどもたどり着きません。おかしいなと思って見直しみると、なんと90度違う方向に走っていました。仕方ないのでまたSouthernmost pointに戻り走りなおしました。家についてみると開館は5時までとなっており、すでに時間は6時前です。 さあ、ここが思案のしどころだなと思いました。6時半に帰る予定なので安全策をとれば元来た道を引き返すのがいいのですが、空港でのおじさんの話では手荷物がなければ6時45分でもOKと言っていました。夕日の沈むのを見たいなら北周りです。 何とかなるだろうと、北西に向かいました。マロリースクエアと呼ばれる一帯は夕日見物で混雑するので有名らしいです。ただ、今はのんびり夕日を見ている暇はないので沈む夕日を写真に収めた後は、サルサなど陽気なダンスをやったり音楽をやったりしているのをしり目に急ぎ空港へと向かいました。時計を見るともう6時20分を過ぎています。北周りながら夕日を眺める余裕などありません。当然ながら初めての道なので地図のパンフレットを左手に持ちながらひた走りました。それでも結構遠いこと、なかなか北東の角にもたどり着きません。そのうちにDO  NOT  PASSの表示が出てきて自転車道路が通れなくなりました。道の反対側に渡ればいいのでしょうが、(本当はそちら側が右側で正当な道、やはり日本人はつい左側を走ってしまいます。WRONG WAYの表示もかまう余裕はなくなっていました。)とにかく道の外側に出てしまったのです。しばらく行くとガタガタ道がぬかるみになって大変な状況です。工事中だから仕方無いのでしょうが、もう戻ることもできません。泥を跳ね上げながら、転倒しないように必死でペダルを漕ぎました。やっとの思いでまともな道にでましたが、とうに40分も過ぎています。そこに二股が現れました。北と南の分かれ目です。海沿いに廻れといっていたな、と思い北に向かいました。しかしどうも不安です。先を行くおじさんを見つけて必死に追いすがりました。空港への道はこっちか、と聞くと違う、南だといいます。取って返してペダルを漕ぎに漕ぎました。やっと見覚えのある島影が見えてきた時は本当にほっとしました。一時は飛行機は諦めて真夜中のUS1をマイアミまで戻らなければと覚悟したほどでした。 あの時、あのおじさんに会ってなければ多分そうなっていたかと思うとぞっとします。 何とかたどり着いた飛行機はたったの20分程でマイアミに戻り着きました。 キーウエストはかつてミシガン大学に留学していた時に無性に行ってみたい所でした。多分冬の寒く、薄暗い北国では陽射しが恋しくなるのでしょう。そういえば、たしかヘミングウェイもミシガン出身の人でした。以前学会場で会ったカナダ人の医者も引退したらマイアミに行きたいといっていました。 念願のキーウエストでしたが、必死の思いで自転車を漕いだだけの思い出になってしまいました。でも途中のUS1で十分リラックスできましたし、キーウエストなど住んでたら1か月も持たない
だろうと思いました。できれば数日は滞在したい所ですが、まだ引退はしたくないのでまあいいか・・・。 マイアミからニューヨーク、成田と帰って今は自宅で書いています。 世の中近くて便利になったものだと思いますが、時差ぼけと気持ちのリカバリーにしばらく時間がかかりそうです。 US 1.JPGUS-1..JPGUS-1...jpg途中の島、.jpg入り口7mile.jpg7miles bridge.JPGキーウエスト.JPGキーウエスト3.JPGキーウエスト4.JPGキーウエスト5.JPGキーウエスト6.JPGsunset.JPGsunset..JPGsunset,.jpgヘミングウェイの家.jpg
途中の島.jpg

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