にきびQ&A(3)アダパレン(ディフェリン)

アダパレン(ディフェリン)について

Q:  アダパレン(ディフェリン)とは何ですか。
A: 本邦初のレチノイド様作用をもつ外用薬として2008年に保険適用になりました。
アメリカでは1996年にFDAで承認され諸外国でも使われ始めたので、日本は約10年おくれの認可となります。外国ではトレチノイン、タザロタンなどのレチノイドが1970年代より使われてきましたが、アダパレンが効果は同等でも最も副作用の少ないレチノイドとされています。アダパレンはRAR(retinoic acid receptor)-gammaのみに結合し、alpha,betaとは結合しないために副作用は少ないとされます。
アダパレンは表皮角化細胞の分化を抑制することで微小面ぽう(コメド、白ニキビ、黒ニキビ)を抑制する作用を有します。面ぽうが発展して、炎症性皮疹(赤ニキビ)になっていくことがわかっています。それで面ぽうをなくすることが、ニキビ治療の根幹となります。
さらに、アメリカ皮膚科学会のガイドラインでも「ほとんどすべてのニキビ患者にとって、外用レチノイドと抗菌薬の併用が第一選択の併用療法になる」とされます。
それ程にニキビ治療にとっては欠かせない薬剤となっています。

Q: アダパレンは具体的どのように使うのですか。
A: 1日1回寝る前に顔全体につけます。つける量は1FTU(finger tip unit):(人指し指の第1関節に沿ってチューブからゲルを出した量で約0.5gになります。)です。それで1カ月約15g、ディフェリンゲル1本の使用量が目安になります。体のニキビにも効果はありますが、適応は一応顔面となっています。
 使い始めてから2週間は刺激したり(赤くなる、痒くなる、ひりひりするなど)乾燥したりすることが多いので、減量したり、部分的に使用することは構いません。
刺激、乾燥が強い場合は保湿剤、乳液などを先に塗布した後でアダパレンを塗布します。1ヶ月も使用すると刺激感は少なくなり、面ぽう(白ニキビ、黒ニキビ)も減少してきます。ただ、炎症性の皮疹(赤ニキビ)は効果が出てくるのに2~3ヶ月かかりますので、継続維持していくことが重要です。

Q: アダパレンを使ってはいけない場合がありますか。
A: ラットなどの動物実験で催奇形性が証明されているので、妊婦、授乳者には使用が禁止されています。ただ、ヒトに換算して150倍もの量を塗布しても催奇形性は認められないとのことです。
臨床試験がなされたのが12~36歳でした。しかし説明で納得してもらえば10歳頃から40歳以上のニキビの患者さんに使用してもさしつかえないことになっています。
2週間以内の刺激症状で脱落するケースがままありますが、臨床試験で本当に合わない人は1%程とごくわずかだったそうです。(450人中5人)

インターネットでディフェリン患者さま向け情報サイトで使い方のビデオがガルデルマ株式会社のサイトで見ることができます

参考文献

皮膚科臨床アセット8 変貌する痤瘡マネージメント
総編集◎古江増隆 専門編集◎林 伸和 中山書店 2011

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