東京地方会

昨日は寒く小雨の降る中を、日本皮膚科学会東京地方会に出向きました。
ここ1,2回真面目に出ていますが(半分は皮膚科専門医資格の更新のための点数稼ぎという面もありますが)土曜日の午後2時から始まるというのは開業医にとっては辛いところです。診療を終わってからなので開始時間には間に合いません。大体腫瘍のセッションから始まるのでその方面はパスです。
ずっとさぼっていて、一寸気が向いた時にだけの出席ですが、なかなか長続きしません。継続は力なり、なのでしょうがそれができる人も一つの能力かもと思ってしまいます。本音をいうと、この地方会は若い先生方が専門医を取得する資格を得るための発表の場という側面も大のために凡そ一般的でない疾患の演題が多いのです。それであまり開業医向きではなくつい足が遠のいてしまいがちです。ただ、学会に出されるような稀な疾患でも開業医の目の前に現れないとも限りません。
長年皮膚科をやっていれば大体の疾患にお目にかかろうかというものですが、見たことも聞いたこともないような病気が結構目につきます。不勉強かもしれないけれど、皮膚科って奥深いというか、どれだけ疾患があるのだろう、と呆然としながら聞いていました。(多分数百では足らず千以上はあるでしょう。)新しい検査方法、ツールが開発されれば今までの疾患も再分類されたり、新たな項目に編入されることすらあります。
なかなか面白かったのは、疱疹状天疱瘡の話題でした。演題名に対して、長老格の先生が、「本質は落葉状天疱瘡と同じなのだから敢えてこのような病名を新たに付けなくても良いのじゃないか、新しい病名は予後や治療方法など分類して意味があるものに限るべき、」というような趣旨の発言をされました。葢し、慧眼の士かと思いました。ただ、反論もあって、かつてのジューリング疱疹状皮膚炎との鑑別にも残しておいた方が良い、見た目の違いは診断の手がかりになる、僅かな違いが未だ未知の病態に繋がっていくかも、などなどの意見も沸騰しました。
忘年会の時期ですから程々に、との茶茶も入る中で議論が尽くされるのは面白いことでした。
久しぶりにアカデミックな雰囲気を味わいました。

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