輸入感染症

最近、トコジラミ、チクングニア熱の事の記事を書く機会があり、以前当ブログでまとめていたものを見直し、書きなおしました。基本的には書いた事は変わりませんので以前の当ブログの記事を参照して下さい。
トコジラミ(南京虫) 2012.07.17     デング熱・チクングニア熱 2011.07.24

トコジラミは虫で、デング熱、チクングニア熱はウイルスによる疾患ですが、この両者に共通するものがあります。それは両方とも外国から輸入されてきたもの、そして最近遺伝子変異を起こし、やっかいな代物に変わってきたことがあげられます。
南京虫は様々な殺虫剤に耐性を獲得し何を使っても死なないものも出てきています。また、現代の我々の生活がIT化し、携帯、電化製品に囲まれて温かい環境が一年中持続するために南京虫にとっては生存し易い環境になっている事もその蔓延を許している原因となっています。
そういったトコジラミをスーパー南京虫とよんですでに国内にも持ち込まれているようです。薬剤で殺せないものは高温で駆除するしかないかもしれません。
そういえば、最近頭虱も、薬剤耐性の虫がでてきて(海外から持ち込まれて)いるそうです。スミスリンが効かないそうです。こういった虱に対しては昔ながらの梳き櫛や鋏でこまめに卵を取り除くしか駆除方法はありません。若いお母さん達には梳き櫛といっても見たことも聞いたこともない、という人もいます。もし、見つからなかったら浅草の仲見世にも梳き櫛のお店がありますので、ご参考までに。

チクングニア熱は今東南アジアで蔓延していて蚊によって伝播します。デング熱、ウエストナイル熱にも似ています。これも最近遺伝子変異によってヒトスジシマカの体内で爆発的に増殖する能力を獲得してしまったようです。熱帯シマカは、日本国内にはいないのですが、ヒトスジシマカは広く国内に生存しています。近い将来には国内での流行が危惧されています。

最近ウイルス、細菌、真菌、原虫を問わず遺伝子変異等を起こして薬剤に耐性の種が増えてきています。敵も生き延びるのに必死なのでしょうが、ウイルス等何億年もの長い月日を生き延びてきた者からみれば人間の方がよほど新参者で、人間の浅知恵を嘲笑っているのかもしれません。
この先、これらの耐性をもった病原菌が外国から輸入されてくる機会はますます増えていくことでしょう。
これらを輸入感染症と呼びますが、多くは蚊、鳥、ペット、野生動物など動物が伝播役を担っていることが多いようです。
海外旅行ではこれらに気をつける必要がありそうです。

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