奥多摩の一日

秋晴れの休日に思い立って奥多摩に行ってきました。若い時分によく奥多摩に通ったものでしたが、それも氷川屏風岩と越沢バットレスとかなり偏った奥多摩で、本当の奥多摩の山々をほとんど知らなかったのでした。 立川から青梅線に乗りました。本当に久しぶりでしかも朝明るいうちに乗ったことはなかったことに改めて気づき新鮮というか、我ながらびっくりした感じでした。昔は夜暗くなってから青梅線に乗り鳩ノ巣から暗い夜道を越沢バットレスへと歩いたものでした。 多くの登山者で溢れた車内は活気にあふれていました。青梅線も青梅を過ぎると車窓の風景がガラッと変わって来ます。ここが東京なのかといぶかしむ程の山村風景になりました。間近に山襞や山村が迫ってきます。なかなかいい雰囲気になってきました。 軍畑、沢井、御嶽と過ぎていくとあんなに多かった乗客もぐんと減って何か気抜けした感じになりました。今回は川苔山を目指しましたが、だんだん面倒くさがり屋になってろくに下調べもせずに、鳩ノ巣駅から登ることにしました。鳩ノ巣でも多くの人が下りて、結構川苔山も人気なのだなと思っていたらほとんどの人は渓谷散策やオリエンテーリングへの人で、川苔山へ向かう人はあまりいませんでした。 植林された杉林の中を登っていくやや単調な登山道でした。しかし久しぶりの山道はなかなかきついながらもいいものです。フィトンチッドなどが満ち溢れているのでしょうか。山道を歩きながら、特に日本の森林には何かしらの不思議な癒しの効果を感じます。 しばらく登ると視界が開け、落葉樹の樹林帯に入りました。期待した紅に燃える紅葉はありませんでしたが、黄金色に落葉した木々は秋の陽射しをうけて輝いていました。 軽いハイキングのつもりで登ってきたのですが、意外と川苔山は遠い感じでした。それもそのはずで頂上に向かっているはずが、いつの間にかルートを外れ、本仁田山の近くまで来てしまっていました。谷を隔てて遠くに川苔山の山頂が見えました。午後1時を過ぎており流石に登り返す元気はなく、頂上は諦めて奥多摩へと下山しました。 本仁田山の山頂には学生の登山者のグループがいましたが、下山道に向うと誰もいません。落ち葉に登山道が隠されて急坂は一寸嫌な感じでした。秋の紅葉シーズンは落ち葉を踏みしだきながらの山歩きなどとても気持ち良く好きなのですが、これではぼんやりしているわけにもいきません。それに最近は熊が出るとのニュースが多く何かゆったりした気分で歩けませんでした。今回も熊の目撃情報があるのでご注意下さい、との案内がありましたが、鈴を鳴らして歩くだけでひたすら熊と出合わないことを祈るのみでした。 途中で休んでいるとアメリカ人の登山者が追いついてきました。日本には5年ほどしかいないのに、達者な日本語です。ニューヨーク出身で金融関係とのことでリーマンショック以来大変だねといったら、日本程ではないよといっていました。富士や北アルプスなど登ったかと聞くと、混んでてあまり好きじゃない、南がいいね、北岳とか赤石岳とかといいます。なかなか渋いねといいましたが意味が通じたでしょうか。 結構外人さんで山好きな人は静かな鄙びた所を好む人が多いようです。いつか奥秩父で会った人も温泉地を教えてくれといっていて、有名な温泉地はあまり興味を示さず本沢温泉、白馬鑓温泉など教えたら嬉しがっていました。 麓に下りてきてからの方が、紅葉がみられましたが、それもごく一部でした。 川苔山の頂上には登れませんでしたが、奥多摩の山を満喫した一日でした。photo1.jpgphoto2.jpgphoto3.jpgphoto4.jpgphoto5川苔山.jpgphoto6.jpgphoto7.jpgphoto8.jpgphoto9.jpg

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