先日の飲み会

先日、久しぶりに千葉大の同級生から飲み会のお誘いがありました。皆外科の連中なので普段の付き合いはなかったのですが、中の一人T君が近所に住んでいて、最近暇になったこともあってか、時々お誘いがあります。4人での飲み会は自然に学生時代の話題に戻っていきました。
随分歳月が経ってしまったことを実感しましたが、また一方で何年もの年月を巻き戻して若いときに戻ったような気分にもなったひと時でした。中の一人は若い一時期文字通り生死を共にしたようなザイルパートナーでした。
髪に白いものが混じり、量も少なくなったり、体型も変わってきたのは仕方ないものの年を忘れてしばし歓談しました。
二次会のスナックにも誘われて、久しぶりに酔っ払ってしまいましたが、楽しい酒でした。
有名な漢詩を思い出しました。

     勧 酒      干(業に’おおざと’をつけて、ギョウと読む);(うぎょう)

勧君金屈巵    君に勧む金屈巵(きんくつし)
満酌不須辞    満酌辞するを須(もち)いず
花発多風雨    花発(ひら)けば風雨多し
人生足別離    人生別離足(おお)し

この詩には井伏鱒二の名訳があり、むしろこちらの方が有名かもしれません。
コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ

これは後段があまりに強く印象に残り、人生のはかなさを詠った詩と思っていましたが、専門家の石川忠久氏によると「この詩は決して別れの歌ではない」そうです。
やがては人生に別れがあるのは事実として(それは達観して)、楽しく酒を飲みかわそうという肯定的な意味合いに解釈するとのことです。

その時の気分によってどちらに重心が傾くかが揺れますが、この日は将に年も時も忘れて楽しい酒に酔いしれました。

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