プラハにて(3)

にきび、酒さのセッションも結構人が入っていました。
にきびの治療は、日本は使用できる薬剤がかなり限られています。最近になってやっとアダパレン(ディフェリン)が画期的な外用剤として使えるようになりましたが、欧米では大分前より使用可能でした。
その他の薬剤をみても経口レチノイド、外用レチノイド、経口イソトレチノイン、BPO (過酸化ベンゾイル、ベンザダーム)、アゼライン酸と日本で使えない薬剤ばかりです。
勿論、個人的にすでに使っている皮膚科医、患者さんもあるでしょうが、正式には認可されていないものです。
他の分野の薬剤でもそうですが、日本はかなり導入が遅れている感じがします。やみくもに海外のものを導入して後で副作用など起こっては困りものですが、かといって先進国で長年実績があって使用ガイドラインにもなっているものなのでもっと早く使えてもいいのにと思ってしまいます。
特に欧米では長年の抗生剤の使用による耐性菌の出現が問題視されていてそれを防止するのにBPO,アゼライン酸は必ず言及されます。日本でも導入が検討されているようですが早く願いたいものです。
また、経口イソトレチノインは重症の瘢痕を伴ったようなにきびに効果があるようで大切な薬ですが、この内服で自殺率が高くなるような話もされていて確かに何でも欧米のものを導入すればいいというものでもないようです。
職業性のにきびのことも話されていました。普段は忘れがちであまり関係ないようですが戦後いくつかの国で大きく問題になったことがあるそうです。日本の九州の例も取り上げられていましたが、そういえばカネミ油症でのダイオキシンは忘れてはならない事件でした。いつか九州大学の古江教授から油症もアトピーと並んで自分のライフワークとの話を聞いたことがありました。またベラルーシのユシチェンコの人が変ったような使用前・後の写真も見せられましたが改めてダイオキシンの恐ろしさを感じました。
酒さも欧米人でひどい人が多いせいか多くの聴衆を集めていました。日本ではさすがに赤鼻のトナカイのような人はみかけませんが、実は結構中高年で赤ら顔で困っている人は多いようです。昨年の東京支部総会で千葉の田辺先生の酒さのレビューがありましたが、多くの開業の先生の参加がありました。実は皮膚科医も患者さんもなかなか治らなくて困っているようです。
ただ原因に関しては今ひとつ明確ではなく、体質、年齢、日光、細菌、いろんな刺激、薬剤と多岐にわたるようです。
にきび、酒さのセッションが終り、性感染症のセッションになったらさーと人がいなくなりました。昼近くのせいもあるかな、と思いましたが皆梅毒の話など聞いても面白くないのでしょうか。一寸性感染症のセッションを覗いてみました。次回はそれに触れてみたいと思います。(実はそれ以外は大して聞いていないということですが)

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