リャド

ホアキン・トレンツ・リャド、スペインが生んだ天才画家、光と影の魔術師、ベラスケスの再来、あるいはそれを超越したと評されながら若くしてアトリエのあるマジョルカ島で急逝しました。
妻がリャドを気に入ったようで、だいぶ前に「バガテルの薔薇」という名のシルクスクリーンを購入しました。時折、居間に掛けて見ています。
近づいてみると、荒々しく描きなぐったかとも思えるようなタッチですが、ある距離を置いてみると何ともいえなく鮮やかな草花が浮かんできます。遠くの風景や水の流れさえもみえてくるようです。大雑把なようで計算されつくしているのでしょう。
写真でしか知りませんが、光と影の織り成す風景は写実のようでありながら、何か光に満ちあふれた彼の世の世界を写しているようにも思われます。20世紀最後の印象派と言われる所以かもしれません。しかし、個人的にはルノワールの温かみのある光とも、ジベルニーのモネの光とも違うように感じます。リャドはあくまでリャドで独自の世界があるように思われます。肖像画の精緻さはベラスケスをも超越したといわれるのも納得と感じました。いつか機会があれば、ショパンとジョルジュ・サンドの島でも有名なマジョルカにいって原画を見てみたいと思いました。

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